●日本農業新聞・会長賞・柿並博志さんの紹介


令和2年度「飼料用米多収日本一」表彰事業調査報告書

 
目次 最新1 GO
受賞者の紹介ページ GO

令和2年度「飼料用米多収日本一」受賞者の概要(2ー6)

【地域の平均単収からの増収の部】(敬称略)
褒賞名 経営体(団体名・個人名) 住 所 品種 作付面積(a) 地域の平均単収からの増収
( kg/10a )
農林水産大臣賞 農事組合法人 伏古生産組合
代表理事 柴田 隆
北海道上川郡愛別町 そらゆたか 736 283
政策統括官賞 遠目塚 春生 宮崎県えびの市 ミズホチカラ 111 210
全国農業協同組合中央会会長賞 伊藤 裕彦 北海道石狩郡当別町 そらゆたか 253 255
全国農業協同組合連合会会長賞 天水 茂 北海道磯谷郡蘭越町 そらゆたか 141 249
協同組合日本飼料工業会会長賞 カンドーファーム株式会社
代表取締役 田尻 一輝
島根県松江市 ミズホチカラ 407 203
日本農業新聞賞 柿並 博志 宮崎県都城市 ミズホチカラ 116 235

【地域の平均単収からの増収の部】
日本農業新聞・会長賞
柿並 博志(かきなみ ひろし)
経営体所在地:宮崎県都城市
団体名・氏名:柿並 博志(かきなみ ひろし)
経営状況 (雇用の有無等)夫婦2名の家族経営 ※認定農家 ブロイラー・水稲・露地野菜の複合経営
経営面積562a
水田面積465a
主食用米 作付面積(品種別)ヒノヒカリ 169a 、おてんとそだち 57a
その他作物 作付状況(品種別)ソルガム 66a、えん麦 442a
飼料用米作付面積116a
品種名ミズホチカラ
10a当たり収量734kg
地域平均単収との収量差235kg
出荷先JA都城→JA宮崎経済連→JA全農ふくれん→飼料会社

調査項目 当年産の取組状況について
【生産面の取組】
品種の選定理由従前は「まいひかり」に取り組んでいたものの、平成30年度から、倒伏に強く、安定して多収量を確保でき、なおかつ栽培が容易な「ミズホチカラ」を選定している。また、晩生品種に属するため、主食用米「ヒノヒカリ」との収穫時期、労力の分散が図られる。乾燥施設も自身で所有しているが、収穫時期のズレにより、工程に余裕ができるため、コンタミ(異物混入)が避けられる。
育苗における省力・コスト低減の取組内容温湯消毒を実施し、農薬の利用回数を減らすことで、環境に配慮した栽培を実施している。種子協会からの種子を自身で苗箱に種播き・覆土し、コスト削減を行っている。
田植えにおける省力・コスト低減の取組内容長年の栽培実証を行い、独自の疎植栽培方法を確立した。疎植(株間26cm、12.8株/u)での植え付けになるため、田植えの省力化及び苗代のコスト低減につながっている。10aあたり約1,650円の削減効果(10aあたり苗箱数 通常18箱 → 柿並氏15箱、苗箱1箱が約550円であり、3箱使用量が減っているため)。
多収に向けた施肥管理の取組内容ブロイラーで発生する鶏糞堆肥を用い、10a当たり2tを土壌改良及び窒素成分の補填のために施用しており、耕畜連携にもつながっている。また、ようりんを施用している。
施肥作業の省力・コスト低減の取組内容元肥は、田植時に側条施肥で行い、肥料のコスト削減を行っている。
病害虫防除方法及び省力化の取組内容無人ヘリコプター(委託)で薬剤散布を実施、適期での防除・省力化を行っている。
雑草防除方法及び省力化の取組内容除草剤は、田植同時施用により省力化を実現し、水管理で効果を高める。年毎の薬剤効果を見極め、場合によっては薬剤を変更するなど効果的な防除に努めている。また、こまめに圃場の観察を行い、少量のヒエであっても都度、処理を行うなど、収量向上を念頭に置き、管理に努めている。
収穫・調製作業におけるコスト低減の取組内容品質低下に十分留意しながら、立毛乾燥を行い、籾水分を低下させることで、乾燥時間の短縮に繋げ、コスト低減を実現している。
その他生産面で先進的な取組内容側条施肥と合わせて、たい肥として鶏糞を散布することで地力の増進と、安定的な収量確保に努めている。

【経営面の取組】
輪作体系の取組内容飼料用米、主食用米、ソルガム、エンバクなどを作付けし、土地の有効利用を行っている。
経営内での作業競合が生じないよう作業分散の取組内容ブロイラー、水稲、露地野菜の複合経営に取り組んでいる。ブロイラーにおいては入雛・飼養・出荷を、田畑においても肥培管理を計画的に行い、無理のない経営に取り組み、安定した収量と品質向上に努めている。
農地集積及び団地化による経営規模の拡大の取組内容飼料用米に関しては自宅周辺1km圏内で4箇所(約30a×2箇所、約25a×2箇所)で管理を行っている。
また、その他の作物に関しても、経営農地のうち、ほとんどを利用権設定、農地中間管理機構を活用するなど、農地の集積・団地化をすすめている。
流通コストの低減の取組内容自ら乾燥施設を所有し、調製は委託し、出荷を行っている。
実需者ニーズに対応した安定供給体制取組内容地元JA指導員と情報交換を行うなど、需実者のニーズに合わせ、出荷を行っている。また、安定供給を担うため、飼料用米の複数年契約にも取り組む。
その他経営面で先進的な取り組み内容地域の中でも経営耕地のほとんどを利用権設定、農地中間管理機構を活用した農地が占める割合が突出して高く、農地の適正活用に対する意識が高い。

【地域との連携及び生産技術の普及・啓発】
耕畜連携による効率的な生産体制の取組内容飼料用米の他にも、ソルガム、エンバクを栽培しており、近隣の畜産農家に供給することで、地域の耕畜連携の一翼を担っている。
生産技術の普及を図るために、地域内で取組内容管内のJA指導員、農業者と飼料用米の肥培管理で意見交換を行うなど、品質向上・収量増に向け、余念がない。また、新規に取り組む農業者へのアドバイスを行い、飼料用米の収量増につなげるなど地域全体の技術向上にも貢献している。
特に模範となる特徴的な取組内容平成29年から鷹尾地区農事振興会会長(JA、行政)を務めており、地域の農業発展に貢献している。
平成24年からは、都城盆地土地改良区総代として活動している。
地元地区で、水田受託作業を100a〜300a(田植・収穫)、収穫期は乾燥作業を行うなど、地域では欠かせない担い手である。また、妻のマリ子氏は農業委員として活躍している。
その他(上記以外に特徴のある取組内容があれば、記載。
その他、飼料用米に取り組んだ経緯や、当年産に限らず、これまで行ってきた取組内容、多収に至った過去からの経緯等を記載)
以前は自身が経営するブロイラーに「まいひかり」を自家利用していたが、より収益性が高く、低コストで多収量となるミズホチカラへの作付・出荷に取り組み見直しを行った。以前から主食用米作付は相当規模の実績技術があったため、平成30年度に初めてミズホチカラに取り組んで、現在に至るまで安定的な収量を確保している。

飼料用米多収日本一表彰事業
令和2年度 受賞者
【地域の平均単収からの増収の部】
日本農業新聞・会長賞
柿並 博志(かきなみ ひろし) 殿


経営体所在地: 宮崎県都城市
団体名・氏名: 柿並 博志(かきなみ ひろし)
経営状況  : 夫婦2名の家族経営
        ※認定農家 ブロイラー・水稲・露地野菜の複合経営
経営面積  : 562a     水田面積  : 465a
主食用米  : ヒノヒカリ 169a、おてんとそだち 57a
その他   : ソルガム 66a、えん麦 442a

飼料用米作付面積   :116a
品種名        :ミズホチカラ
10a当たり収量    :734kg
地域平均単収との収量差:235kg
出荷先        :JA都城→JA宮崎経済連→JA全農ふくれん
            →飼料会社

中央左側:柿並博志さん

中央右側:飼料用米活用ブランド日本一 農林水産大臣賞

有限会社エムケイ商事(養豚)さん

 




農林水産省・一般社団法人日本飼料用米振興協会


スマホサイトに切り替える